訪問販売や電話勧誘販売など、様々な取引において、いったん契約の申込みや契約の締結をした場合でも契約を再考できるようにし、一定の期間であれば無条件で契約の申し込みを撤回したり、契約を解除したりできるクーリングオフ制度というものが存在します。WiMAXの場合はこのクーリングオフ制度が適用されるのでしょうか？WiMAXの契約について詳しくご説明していきます。
結論から言うと、WiMAXはクーリングオフ適用外となります。なぜなら、クーリングオフは何かしらの取引や契約を「受動的に」行ってしまった場合に適応され、能動的な買い物などに全て適用されるわけではありません。WiMAXの契約は訪問販売や電話販売とは異なり、自ら能動的に行った契約になりますので、クーリングオフの適用外となるわけなのですね。
WiMAXはクーリングオフ適用外ですが、代わりに「初期契約解除制度」というものが存在します。
初期契約解除制度とは、平成28年5月21日施行の改正電気通信事業法令です。インターネット回線を契約をしたものの、自宅では電波の入りが悪く正常にサービスを利用できないなどといった場合に、端末を返品して回線を解除できる制度です。クーリングオフは特定の商法に限り8日以内であれば契約をなかったことにできる制度ですが、一方、初期契約解除制度は通信サービスで8日以内であれば契約を解除できる制度です。WiMAXなどが行う通信サービスは特定の商取引と判断されていなかったため、クーリングオフ制度が対象外となっていました。しかし、WiFiルーターだと通信状況がイメージと違いすぎるという場合があり、つながらないのに解約できず、月額料金を無駄に払いつづけたり、数万円の違約金を払って解約したりという問題が多発しました。そこで、消費者を保護するために電気通信事業法等の一部を改正して初期契約解除制度ができました。携帯電話などの契約に関する書面を受け取ってから8日以内であれば、携帯電話会社の合意がなくても、回線契約を解除することができます。WiMAXの初期契解除を希望の場合は、端末到着後8日以内にサポートサイトから電話で申請をし、端末配送時の箱に入れて返送すれば違約金無しで契約が解除できます。
初期契約解除制度は端末到着後８日間以内であれば通信事業者の同意がなくても一方的に契約を解除することができます。電波のつながりが悪い・遅いなどで十分に使えない、契約書類がない、説明が十分でない、説明内容に虚偽があると、いった場合のみに適用することができます。あくまでも消費者を保護するのが目的であるため、端末の大きさや色が気に入らないなどの個人的な理由で解約できるわけではありません。返却の際には、端末到着日を1日目とした8日以内にカスタマーセンターへの申請が必要で、それ以降は申請することができません。返却時には、端末、SIMカード、保証書、ケーブル類、端末個装箱の5点すべてが必要となります。また、端末一式の返送が期日を過ぎていた場合、返送端末に欠品（本体/SIMカード/ケーブル類/保証書/個装箱）がある場合、返送端末が破損・故障していた場合には、端末代20,000円(税抜)が請求されます。契約時にかかる事務手数料の3,000円と返送料については、すべてのプロバイダで必要となり、こちらは消費者自身の負担となります。通信利用料はプロバイダによって請求される場合があります。WiMAXは1年目に解約すると本来であれば19,000円の違約金(プロバイダにより異なります)がかかりますが、初期契約解除制度を利用すれば違約金はかかりません。期間内に返送すれば機種代を請求されることもありません。クレードルなどのオプションの料金はプロバイダによって異なりますが、基本的には期間内の返却であれば受けつけてくれるプロバイダが多いです。
WiMAXのプロバイダにおいて、初期契約解除制度が適用される期間は8日間というお話をしてきましたが、GMOとくとくBBが最近独自で始めたサービスでは、適用期間が20日間となりました！20日間もあれば、忙しい方でも返却の対応が可能ですね。また、色々な場所でWiMAXの利用を試してみることもできます。私たち消費者にとってはとても有難いサービスです。
ただし、このサービスが適用されるには条件があります。それは、申込み住所がUQ WiMAXのWiMAX2+のピンポイントエリア判定で「○」だった場合に限るということです。つまり判定の結果、「電波が良好である」とされる地域で申し込んだ場合ということです。△や×だった場合はもともと電波状況が怪しかったため適用外となります。UQ WiMAX側で電波が良いと判断しており申込んだのにも関わらず、実際使ってみたら通信状態が悪かったという場合は適用されるということですね。これには注意が必要です。
